信用取引の【逆日歩】、知らずに空売りは大損の危険あり!無理なく儲けるため基礎知識

信用取引の【逆日歩】、知らずに空売りは大損の危険あり!無理なく儲けるため基礎知識

目次

逆日歩を知らないと大損する

信用取引で空売りをする時に、よく「逆日歩(ぎゃくひぶ)は発生した!」」「逆日歩(ぎゃくひぶ)に気をつけろ!」「連休前は空売り機関は積極的に売買をしない。」という話を耳にしますが、「いったい何のこと?」と初心者の方は思うでしょう。

株式投資をする上では「買いから入る場合」「売りから入る場合」があるのですが、今回の話は売りから入る場合、すなわち「空売り」をする方に向けたお話です。

空売りをする場合、基本的なルールを知っていないとたとえ利益が出たとしても、思わぬところで損失を出してしまう場合があります。

逆日歩は、1株あたりで表記されるため、逆日歩が複数日に渡ったり、まとまった株数だったりすると、思わぬコストをしいられることがあるので注意しましょう。

まさし院長

逆日歩を喰らうと大きな損失を生む場合があります!

ゆづき

空売りは儲かりますが、逆日歩でその儲けが飛んでしまうこともありますし、損を確定した場合は損失にプラスして逆日歩で発生した料金を支払わないといけないくなり損失のダブルパンチでノックダウンするかもしれません。

逆日歩(ぎゃくひぶ)とは

逆日歩(ぎゃくひぶ)とは、信用取引の売り方が負担しないといけない、事前に想定できないコストのことです。

信用売り残高が信用買い残高を上回った場合に発生するのが逆日歩です。

証券金融会社は、貸し出せる株が不足した場合株の不足を補うために、機関投資家などから株を借りるのですが、その際の調達費用として発生した料金空売りした投資家が支払うのです。

マルちゃん

株を借りて売買する場合は要注意じゃの~

逆日歩が発生する仕組み

証券会社は、信用買いの買付代金や、空売りの株券を保有していますが、信用取引が活発に行われた場合には、証券金融会社を経由して資金、株式を調達することになります

信用売り残高が信用買い残高を上回る「売り長(うりなが)」の状態が続き、不足する株を証券金融会社でも手当できない場合に、逆日歩が発生します。

そうなると、証券金融会社は生命保険会社や損害保険会社などの機関投資家から現物株を調達して株不足の解消をしないといけないのです。

かえで

少し分かりにくいですが、この仕組みは理解しておきましょう!

ムギ

逆日歩ホント怖いニャ!

証券金融会社機関投資家から株を借りる際に発生する1日あたりのコスト品貸料と言います。

このコスト売り長の状態を招いている売り方が負担し、買い方が受け取る仕組みです。

買い方が売り方に支払う金利を日歩と呼びますが、株不足を招いている売り方が買い方に金利を払うことになるため、逆日歩と呼ばれています。

ゆづき

だから逆日歩というのね!

株式取引の受け渡しは2営業日後となっています。

逆日歩が発生した翌日に空売りを買い戻した場合でも、月曜日空売り→火曜日買い戻し以外は、受け渡しが行われない土日(祝日含む)をまたぐことになります。

注意しないといけないのは、品貸日数には、土日のほか祝日も算入されます。

ひろと

品貸日数を理解していないと思わぬ損失を招きます!

逆日歩発生の条件

証券金融会社は「制度信用取引」において大きな役割を担っており、銘柄ごとに空売り(貸株)と信用買い(融資)を毎営業日集計しています。

空売りと信用買いを付き合わせた時に、空売りが上回っていた場合は、上回っている分だけ株不足ということになるのです。

株不足を受けて、証券金融会社は、翌営業日10時までに信用買いを増やす「融資の追加申込」と空売りの残高を減らす「貸株の返済申込」を受け付けて、株不足の解消に努めます。

それと同時に、生命保険会社や損害保険会社などの機関投資家に対して、株不足が生じている銘柄の入札受付を行います。

「融資の追加申込」と「貸株の返済申込」で株不足が解消しないケースで、逆日歩が発生します。

同時進行の入札で、提示された品貸料の安い順に株を手当して、最終的に株不足が解消された時の品貸料が、その日の逆日歩となり、売り方はこれを負担しなければなりません。

まさし院長

逆日歩を仕手筋に狙われる場合があるので注意しましょう!

ゆづき

株不足を逆手に取って大口は株価を吊り上げたりするのよね!

マルちゃん

怖いの~

「満額」や「零銭」は逆日歩が発生しない

株不足となっても、逆日歩が発生しないケースもあるので知っておきましょう。

あまり聞くこともない言葉でしょうけど、証券金融会社の調整によって株不足が解消する「満額」と、株不足が発生した際の入札において、必要株数の落札が無料の0銭で完了する「零銭」では逆日歩は発生しません。

制度信用取引の段階では、信用買い残高が信用売り残高を上回る買い長(かいなが)の状態になっているのに、日証金の貸借残高では売り長の状態になっていることがあります。

この状態で逆日歩が発生した場合は、信用買いの資金は自社で手当し、空売りの株を日証金から調達している証券会社が負担しなければなりません。

証券会社は、逆日歩を回避するために、翌営業日の10時までに「融資の追加申込」または「貸株の返済申込」を募る一方、品貸0銭で入札するなどの調整に動きます。

度信用取引では、信用買い残高が信用売り残高を上回る買い長であっても、日証金の貸借残高で売り長となると、日々品貸入札が行われることを踏まえながら、週1回発表される信用取引の残高を確認するようにしましょう。

逆日歩の日数の計算方法

逆日歩が発生した場合の日数計算を説明します。

解説図の16日(火曜日)に空売り注文を入れて約定し、翌17日(水曜日)に買い戻し注文が約定したとします。受渡日は、2営業日後となりますから、空売りの受渡日は18日(木曜日)、買い戻しの受渡日は19日(金曜日)となります。

受け渡しが完了するまで、逆日歩2円が発生したとします。逆日歩2円は1株換算の金額なので、1,000株空売りした場合は、1日2円×1,000株=2,000円の逆日歩が発生します。

注意が必要になってくるのは、土日をまたいだ場合の逆日歩の日数です。17日(水曜日)に空売り注文が約定し、翌18日(木曜日)に買い戻し注文が約定した場合は、空売りの受渡日は19日(金曜日)で、買い戻しの受渡日は22日(月曜日)となり、1,000株空売りした場合は、1日2円×3日分×1,000株=6,000円の逆日歩が発生することになります。

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