JT(日本たばこ産)株価下落の背景はロシア4工場の稼働停止、今後の見通しは?

JT(日本たばこ産)株価下落の背景はロシア4工場の稼働停止、今後の見通しは?
目次
ロシアの4つの稼働工場
JT(日本たばこ産業)はロシアの工場が稼働停止になってしまい、たばこの販売に影響が甚大に出るかもしれません。
大企業の海外での事業活動はこういった有事でしか耳にすることがない場合も多いと思いますが、JT(日本たばこ産業)はロシアに4つの稼働中の工場を有しております。
工場で生産した約9割の製品がロシア市場向けです。
「なんだ生産した製品はロシア向けか!」「ロシア人相手ならたいして影響ないのでは?」なんて楽天的な考えをお持ちの方は要注意!
ロシア、ウクライナを含むCIS諸国の2021年度の調整後営業利益はJTグループ全体の約2割を占めています。
そう、ロシアはJTにとって最大の市場の1つなのです。

JTもロシアに工場があったのですね。

考えたら大企業が大国ロシアに工場を構えるってごく自然なことだニャ!
国民一人当たりの年間喫煙本数
禁煙車の意見が強くなってきてきた昨今では、喫煙者は煙たがられ隅に追いやられる傾向にあり、タバコが吸えるエリアも順次縮小しています。
そんな日本では、昔ほど喫煙者が街中でタバコを吸っている光景を見なくなりました。
しかし、世界ではタバコの消費量ってどうなのでしょうか?
海外の喫煙者はおそらく日本よりは市民権を得ているでしょうし、タバコを吸う本数も多いのでないでしょうか。
そんな訳で、国民一人当たりの年間喫煙本数を国別ランキングでみていきましょう。

国民一人当たりの年間喫煙本数は東欧の国々がダントツで喫煙率が高いです。
次いで、ギリシャ、ロシア、ウクライナの順で喫煙率が高くなります。
【豆知識】1998年に実施されたロシアの喫煙習慣の調査報告によると、たばこの喫煙率とアルコールの消費率は相関関係にあるらしいです。
そんな豆知識はさて置き、JT(日本たばこ産業)はたばこ消費国上位であるロシアの4つの工場が稼働停止になってしまい、たばこの販売に影響が甚大に出るかもしれないのです。
ロシアのウクライナ侵攻の影響はモロに受けるはずなので、JTの今後の売上に大きく影響してくる案件とみて間違いないでしょう。

海外ではタバコ1箱の平均価格が安い国もあるのね!
活動自粛を発表
また、JTはロシアにおける新規投資とマーケティング活動をすべて一時停止すると発表しました。
これは仕方ないことだと思います。
ロシアは現在ウクライナに侵攻の真っ最中であり、世界中から制裁を受けているので物流も止まり、その中で部品や物資を調達して仕事をすることは難しいのです。
そんな状況では、ロシア国内でまともな経済活動なんて出来る訳もありません。

同じようにロシアに生産拠点があるトヨタ自動車も車を作るための部品がロシアに入ってこない為に生産は困難として、生産工場の稼働停止を発表しております。
JT(日本たばこ産業)もまたしかりで、事業環境が大幅に改善しない限り、4工場での生産を停止する可能性があるということです。

経済活動ができないのは辛いの~
新製品の発表も延期に
上期に予定していた電子たばこの新製品の発表は延期となります。
新製品の名称は「プルームX」で、ロシア市場への投入は当面の間延期です。
通常であれば新製品の発表はポジティブな話題なのに、延期になったお陰でこの話題がマイナスな印象になってしまいましたね。
ただ、新製品は既に完成しているのだから、発表の時期がずれるだけという解釈もできます。
しかし、時期がズレて生産が開始できないということは、本来上がる予定だった売上を喪失する結果に繋がります。
新製品の発表延期一つとっても経済的な損失は大きいですよね。

新製品の発表どころじゃないですよね💦
雇用の維持を発表
ロシアで4工場を操業するJTは、従業員約4,000人の雇用を維持するそうです。
私はロシアで大手企業が操業を一時停止するにあたって一番気になっていたのが雇用面です。
戦争はやるべきではない行為であり、ロシアにたいしての反感は当然私もありますが、そこで働く一般市民に影響があってはならないなと考えています。
国の勝手で始まったウクライナ侵攻のために、一般市民が不利益を被るなんてことがあってはなりません。
4,000人の雇用を維持するためには大変な費用がかかると思われますが、これは英断です。
いつか普通に工場を稼働するその時まで、従業員への保証は万全にしてあげて欲しいと心より思います。

従業員を大事にしてあげて欲しいニャ!

4つの工場ともなると従業員数は多いですね!
まとめ
JT(日本たばこ産)は2016年辺りから株価の下落が止まりません。
なぜここまで大きく下落したのかは今回の記事では追及して書ませんが、そろそろ上昇に転じて欲しいものです。
そんな最中に起こったロシアのウクライナ侵攻はJTにとって巻き込まれる形で大打撃となりました。
日本でのタバコ人気はこれからも下火になる一方でしょうから、JTなどのたばこ元売り業者は海外で頑張って欲しいものなのですが、まさかこんな形でロシアの工場の操業に影響が出るとは思ってもみなかったことでしょう。
ロシアに進出している大企業は次々と操業停止して一時撤退しておりますが、ロシアとウクライナの問題が解決して、1日も早く通常営業ができる日が来ることを願っております。
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