【通信速度が速くなる!】IPv6のメリットとデメリット

【通信速度が速くなる!】IPv6のメリットとデメリット

目次

IPv4はいづれ枯渇する

インターネット回線を選ぶときに「プロバイダはどこのにしよう。」「光回線ってなに?」「ニューロ光とフレッツ光の違いはなに?」「けっきょく何処が一番やすいの?」などいろんな疑問が湧いてくると思います。

そんな疑問の中で「インターネットの通信速度を早くしたい!」というのは誰しも思うところであり、解決しておきたい問題でもあります。

通信速度を改善するときに「IPv4」「IPv6」の違いを理解することはとても重要だと思います。

現代の世の中はインターネットなしには成り立たなくなりました。

世の中が快適に便利になったのはよいのですが、利用者が増えると一つの問題が起きてしまいます。

それは「IPv4」で使用可能なIPアドレスの数が足らなくなるということ。

世界の総人口は79億人ほどですが、現在主流の「IPv4」で使用可能なIPアドレスは約43億個なのです。

全人口の何割程度がインターネットを使用するのかは分かりませんが、何をするにもネットが必要な現代ではIPv4がいずれ枯渇するのは目にみえていますよね。

その枯渇を解決する救世主がIPv6接続サービスなのです。

また、IPv4 over IPv6という接続サービスもあり、その利点については最後にご説明致します。

黒板

ゆづき

43億個でも足らないなんてビックリ!

まさし院長

インターネットは快適に過ごす為の必需品ですからね。

IPv6(アイピーブイ6)のメリット

IPv6導入によるメリット

事実上無限の数のIPアドレス(約340澗個)

IP電話、インスタントメッセンジャーおよびネットワークゲームなどの利用やIoTの普及が容易になる

〇その他

・管理者に負担をかけないIPアドレスの自動設定ができる

・アドレスの集約による基幹ルータでの経路表サイズの抑制ができる

・ヘッダの簡略化が可能になる

・ルーターの負担が低減される(ヘッダは40バイトに固定、IPヘッダのエラー検出はIPv6では廃止)

無限のIPアドレスが世界を救う

IPv6導入を導入する最大のメリットは「事実上無限の数のIPアドレス」が利用できるというところにあります。

約340澗個 =というのは約340兆×1兆×1兆個という途方もない数字でその数を想像することが難しいですよね。

「その辺の石ころにも個別に割り当てることができる」ぐらいあり余っているそうです。

数字の大きさは理解できなくても、これだけの数があるならアドレス枯渇の心配がほぼ解消されるということが感覚的に分かりますよね。

ひろと

澗(かん)と読むんですね、初めて知りました!

ムギ

数が想像できないニャ!

IP電話、メッセンジャー、ゲーム、IoTなど幅広く恩恵を受ける

同時に、IPマスカレード(NAT/NAPTなど)を使わずに済むので、全ノードがグローバルな接続性を持ち、直接接続が可能になります。

これによって、P2Pアプリケーション(IP電話、インスタントメッセンジャーおよびネットワークゲームなど)の利用やIoTの普及が容易になり、またNATの設定などに気を遣わなくて済むようになります。

まさし院長

その他は流す程度に読んでください。

その他

〇管理者に負担をかけないIPアドレスの自動設定

DHCPサーバがなくても、ホストには自動的にIPアドレスとデフォルト経路が設定される。

〇アドレスの集約による基幹ルータでの経路表サイズの抑制

新たにIPv6の接続を持つとき、ISPの持っているIPv6アドレス(プレフィックス)を切り出してユーザーに渡すします。

これによって、新しいIPv6サイトが増えたとしてもバックボーンに対して公告する経路情報は増えず、基幹ルータで保持する経路表の大きさが抑えられるます。

その一方で、アドレスブロックの可搬性がなくなる、複数のISPと契約した時にどのアドレスをどのように使うかを考慮しなければならない「マルチホーム」問題も発生します。

〇ヘッダの簡略化

IPv4のヘッダは多くの場合は20バイトですが、IPオプションの付加によってそれよりも長くなる可能性があるります。

〇ヘッダは40バイトに固定

IPv6の基本的なヘッダは40バイトに固定されています。

このため、ルータの負荷を低減できるなどATMなどの固定長パケットネットワークに共通な利点を享受できます。

なお、拡張ヘッダの利用により拡張性も保持しています。

〇エラー検出廃止

またIPv4では通過するルータ毎に行われていたIPヘッダのエラー検出は、IPv6では廃止されました。

これにより前項と同じくルータの負荷低減が期待されております。

〇セキュリティーの確保

IPsec によってIPレイヤでのend to endセキュリティが確保できるようになる。

RFC 4301 ではIPv6実装はIPSecを実装しなければならない (MUST) とされていたが、RFC 6434 において実装すべきである (SHOULD) と緩められた。

実際、IPSecをサポートしないIPv6の実装は多数存在しています。 参考:Wikipedia

IPv6(アイピーブイ6)のデメリット

IPv6導入によるデメリット

既存のIPv4と共存させる必要がある

・IPv4と互換性がない

・普及が進んでいない(私が調べたところ日本での普及率は進んでいるように思いますが、世界的にはどうなのでしょうか)

・見通しがたっていない(これも2021年現在ではどうなのか疑問です)

・タイムラグが生じることがある

・その他(逆引きの管理が困難、技術面や運用面でまだ不確定な要素が多い、プライバシーの面で問題etc.

IPv4とは似て非なるもの

IPv4とよく似たプロトコルなのですが互換性はありません。

なので、「ルータの取替え」や「新しいソフトウェアの開発・導入」などで追加投資をしないといけないのは最大のデメリットです。

また、並行運用期間(IPv4が淘汰され消滅するまで)は両方のプロトコルをサポートしなければなりません。

普及は進んでいないのか?

普及の目安としてBGPのルーティングテーブルのサイズを比較するとプレフィックスが「IPv4で632,483」、「IPv6で33,323」と、IPv4の19.0%程度の規模でしかない。-2016年10月現在-

IPv4での教訓とIPv6の経路が新規に敷設された関係でIPv6の方が経路が集約されていてBGPで広告されている経路が少ないとしても、普及が進んでいないことがわかり、Googleによる統計でも、IPv6によるアクセス数は2016年10月現在で全体の14%程度になっているとWikipediaに記載されてました。

統計の数字って変わるもので、Wikipediaの情報が2016年と古いのが気になります。

まさし院長

学生の頃、保健衛生の授業で年度が替わると統計の数字が変わって覚えなおすのが大変だった事を思い出します。

日本の普及率を独自に調べてみました。

IPv6普及・高度化推進協議会の統計を元に日本のIPv6普及率を調べたところ、フレッツ光ネクストは2020年12月現在で77.4%、KDDI au光はとCTCコミュファ光はすでにcompleteしております。

フレッツ光ネクストのIPv6普及率【集計結果】

IPv6普及率(フレッツ光ネクスト)

参考)フレッツ光ネクスト以外のネットワークのIPv6普及率

左がKDDI au光右はCTCコミュファ光ですが、時期のずれはあるものの既に100%のcompleteを達成していますね。

IPv6普及率(KDDI au光とCTCコミュファ光)

これは各国のIPv6普及率で、2016年以前の統計に比べて大きく伸びているのかどうなのか、おそらく伸びてるでしょうね。

これ以上詳しく知りたい方は独自で調査してください。

IPv6世界各国の普及率

最新の日本の統計や各国の普及状況を見る限り、普及が進んでいないというのは過去の考え方のようにも思います。

ただ、世界的にみてどうかはわからないで、あくまで私個人の見解となります。

見通しがたっていない

そもそも、汎世界的なネットワークとなったインターネットが、あまねくIPv6に移行するのかどうか、するとしてそれがいつになるのかは、(短期的には)全くの見通しが立っておらず、古い機材やOSが買い替え需要で減ってファームの更改があれば徐々にIPv4/IPv6併存環境が広がっていくので程度緩和されるとWikipediaには書いてありました。

私個人の意見としては

先程、日本の普及率の統計が2020年12月時点でみてみると大きく改善しているということをお伝えしましたが、それを踏まえると見通しが立っていないというのもいつの時代の話なのかなと思います。

おそらく2016年以前では見通しが立っていなかったのではないでしょうか。

日本ではプロバイダはIPv6を武器に契約を伸ばそうとしているところもありますし、IPv6対応のルーターも増えてきましたが、世界的にみてどうなのか気になります。

これだけネット回線が普及した現代では嫌でもIPv6を利用する方向になると思うのですが。

例えが悪いですが、VHSビデオからDVDに移行した時のような感じなのでしょうか。

映像としてみるのは同じだけど、互換性はなく全く別物ですよね。

タイムラグが生じることがある

IPv6のバックボーンはまだIPv4ほど充実しておりません。

また端末やネットワークの要因のためIPv6での接続に失敗することがあるが、その場合IPv4にフォールバックすることになり、最初からIPv4で接続していれば不要であったはずのタイムラグが生じてしまうそうです。

技術的なものは大変でしょうが何かよい方法を考えて乗り越えて欲しいですね。

その他について

その他にもいろいろな技術的なデメリットがありますが、書き出すときりがないので割愛します。

いろんな技術的な問題はインターネットに限らずつきものですよね。

ネット業界は日々新しい技術は発見されておりますし、少しずつ改善していって欲しいなと願うばかりです。

IPv4とIPv6の最も大きな違いとは

IPv4とIPv6の最も大きな違いはどこにあるかというと、「ネットワークアドレスの長さ」にあります。

IPv4は「32ビット」ですが、IPv6は「128ビット」となります。

ネットワークアドレス

IPv6のアドレスは、前半部(プレフィックス,ネットワークID)と後半部(インタフェースID)に分けられて管理される。

インタフェースIDは、一意性を得るためにMACアドレスなどから生成されるModified EUI-64フォーマットが使用されることが多いが、プライバシー上の懸念があるため、一意性およびプライバシーの双方を満たす仕様への変更が推奨されている(RFC 7217、RFC 7721)。

サーバでは手動で静的に設定されることも多い。

アドレスの一意性は最終的にはDuplicate Address Detection (DAD) という仕組みで保証される。-Wikipediaより抜粋-

IPv4overIPv6とは

契約している回線やプロバイダの説明を読んでいると「IPv4 over IPv6」に対応と書いてあることがあります。

IPv4 over IPv6は2種類のプロトコルが利用できる機能で、利点として時間帯に関係なく通信速度を安定させられます。

対応プロバイダとの契約と対応ルーターが必要になりますので、回線契約時にはプロバイダーに対応しているかどうか聞いてみるとよいでしょう。

簡単に説明するとIPv4 over IPv6は通信速度を安定させるツールです。

接続方式IPoE方式PPPoE方式
IPv4×
IPv6
IPv4 over IPv6
対応している接続方式

インターネットの接続方式にはPPPoE方式IPoE方式の2種類があり、IPv6の普及が始まるまではPPPoE方式が主流でした。

しかし、プロバイダを経由するため利用者が増える時間帯は通信速度が低下しやすいというデメリットがあります。

PPPoE方式とIPoE方式

IPv4 over IPv6にはIPoE方式を利用して通信速度が安定するという強みがあり、IPv6とIPv4のどちらでもIPoE接続が可能になります。

分かりやすく言うと、サイトやオンラインゲームに接続するときの通信速度が安定します。

まとめ

どうでしたか?

「IPv6」や「IPv4 over IPv6」について少しでも理解して頂けたなら幸いです。

インターネット接続をするときに知っておいた方がよい情報ですし、一軒家やマンションに光回線を引くときやルーターを新しく買うときに知識があると選択肢が増え選び方の基準も変わります。

「IPv6」はこれからはかならず必要になってくるインターネットの技術だと思っております。

光回線を引くときには「IPv6」に対応しているかどうか聞いて契約することをオススメします。

速さを求めるには「IPv6」だけでは足らず、パソコンの性能がよいことを前提に、光回線のスピードやルーターの性能、無線LANではなく有線LANで繋ぐとより快適に動くなど知っておいた方がよい点はいくつかりあります。

ルーターについても今はメッシュWi-Fiシステムというものも出てきており、通信環境をよくいしたいのであればいろんな方法があります。

メッシュWi-Fiシステムとはルーターに専用の子機が1~2台ついてセット販売されており、電波の届きにくい場所に配置して家全体に電波を張り巡らせる一つの手法です。

家電量販店にいけば普通に売っていて1~2万円だせば買えますのでご興味がある方は店員さんに相談してみてください。

みなさんのインターネットライフが少しでも快適になることを願っております。

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